キャンプをはじめてしばらくすると、車の購入や買い替えを検討する方も多いですよね。SNSには、ランクルプラドやジムニーなどのSUVやキャンピングカー仕様のハイエースなど魅力的な車がいっぱい。もちろんどれも素敵な車なんですが、じゃあ自分たちの家族にベストな車がどれなのか迷いますよね。もちろん全ての人にベストな車なんてありませんので、今回はファミリーユースの車について考えてみたいと思います。
キャンプに向いている車選び
用途を明確にしよう
まず今回の車選びの指標となる、使用人数や用途をあげておきます。これは我が家の車の使い方を基準にしてみたんですが、ファミリーキャンプをされるご家族によくあるパターンなんじゃないかと思います。このように自分たちのライフスタイルやキャンプスタイルを客観的に挙げてみると、車選びの条件が明確にしやすいと思います。
・大人二人子供二人程度のファミリーが基本 ・首都圏内で通勤は電車などの公共機関、車は土日のレジャー用 ・キャンプ場も管理人が常駐しているようなオートキャンプ場が多い
4WDは必要?
キャンプの車で検索すると、色々な記事が出てきます。それらを見て、それは違うでしょと言いたいのが「4WDを選ぶべき」です。
まずキャンプ場は基本的に山の奥だとしても入り口まで普通の道路が整備されています。キャンプ場内についても走破性が低い車でも入れるように十分に整備されている場合が多いですし、まれに場内に急坂がある場合には、「ここから先は4WD車専用」といった注意書きや、坂を登れない車を停める臨時駐車場を備えている場合が多いです。山を分け入って野営地を探すといったワイルドなキャンプを主体にするのでなければ、砂浜や林道を走破するようなことは普通のキャンプ場ではありません。もちろんウィンタースポーツをするなど雪道を走ることもあるなら4WDはあったほうが良いですが、 その予定が無いなら、車の値段が1割ぐらい上がるのに、そのメリットを感じる機会はあまりありません。
仮にぬかるみなどでスタックした場合は、管理人さんや周りの人、レッカーに頼むこともできますので、2WDで十分です。
SUVやクロスカントリーがキャンプに向いている?
同じく記事で見かけるのが「ランクルなど本格的なクロカンが良い」です。
どちらかというと車好きなど車視点で書いてる記事が多いので、このような車を性能が尖った点を理由に推してくることが多いのですが、これも止めたほうが良いです。ランクルなど本格的なクロカンには意外な弱点があります。
首都圏住みでキャンプ向けの車選びの重要な基準は次の3つです。
1.荷物の搭載量
2.長時間運転が低ストレス
3.最低限の走破性
「荷物の搭載量」は想像できると思いますが、テント、テーブル、椅子4脚、寝袋、食器などキャンプに持っていく荷物はかなりあります。さらに焚き火台やBBQセットなど凝れば、凝るほど荷物は増えます。
「長時間運転が低ストレス」ですが、首都圏からそれなりに自然豊かなキャンプ場に行くとなると、片道2時間はザラで、特に帰りは週末帰りの渋滞と重なり、6時間以上運転するようなこともあります。そのため長時間運転のストレスが大きいとキャンプに行くこと自体が嫌になってしまいます。
最後に「最低限の走破性」ですが、整備されているとはいえ、ある程度の急斜面などはどうしてもあります。車高が低い車は底を擦りやすいので注意が必要です。とは言っても、普通のミニバンなら問題ありません。
これらの事を考えた時に、ランクルなどの意外な弱点となってくるのが以下の2点です。
ランクルなどの意外な弱点 1.長時間運転のストレスが大きい 2.荷物が思ったより乗らない
理由を説明しますと、ランドクルーザーなど本格的なクロカンは走破性重視のため、とても大きなタイヤを付けており、重心が高くなっています。重心が高い車はコーナーで傾きすぎないように固いバネが使われており、乗り心地が固くなります。
またSUV、クロカンのようにタイヤが大きい車はタイヤが小さい車に比べて接地面積が広いため、高速走行中の「ゴー」というロードノイズが大きくなったりします。最高級クラスであれば、色々対策がされていますが手が届きやすい車種、グレードではなかなかそうはいきません。
そのため長時間運転していると、乗り心地やノイズなどでイライラすることが増えます。
キャンプに必要な搭載量は?
SUVやクロカンはミニバン等に比べると荷物の搭載量で困ります。コンパクトミニバンと呼ばれるミニバンで一番小さいシエンタでもランクルのプラドより荷物が積めます。
車の荷物の搭載量を示す指標にVDA法による容量(リットル単位)があります。
高さ50mm、幅100mm、長さ200mmである1L容積のテストボックスを何個詰めるかという指標で様々な車種のメーカーサイトに各種シートアレンジで、どれぐらい詰めるか記載があったりしますので参考にしてください。
シエンタとプラドを比較すると、7人乗りで3列目を収納時
シートバック上端までの高さまでで
シエンタ:576リットル
プラド:553リットル
とシエンタが少々勝っています。さらに
シエンタは「室内高: 1,280㎜、室内長: 2,535㎜、室内幅: 1,470㎜」
プラドは「室内高: 1,240mm、室内長:2,520mm、室内幅:1,565mm」
と、ほぼ同じ、室内幅だけならプラドのほうが広くなっていますが、実際はシエンタは3列目が2列目シートの下に格納されるので、シエンタのほうが使える幅は広いです。
それで4人家族だと目安としては最低500リットル、本格的になると800リットル以上のスペースが必要です。そこに山遊び、海遊びの道具などを増やすと、普通のミニバンでもかなりパツパツになります。
特にランクルに乗るようなアウトドア派であれば、キャンプ以外にもアウトドアの遊びをしたいと考えると思いますので、SUVやクロカンは、キャリアやルーフボックスを追加し、搭載量の上積みを最初から考えたほうが良いです。ただ、その場合は更にロードノイズが気になるかもしれません。ここはもうトレードオフになってしまいます。
キャンプにオススメな車種
次に具体的なオススメ車種を紹介します。
1.コスパ最強 トヨタ シエンタ
コンパクトミニバンとも言われ、優れた設計で7人乗りを実現しており、普通の4人家族がキャンプするには十分な搭載量もあります。取り回しも良く、運転に自信ない人にもオススメです。普段使いで狭い道を運転するなら最有力の選択肢でしょう
ただ、本格的になってくるとちょっと搭載量が物足りなさを感じるかもしれません。その場合は、ルーフボックスの追加も検討しましょう。 類似のライバル車種はホンダのフリードです 。
2.安定のミニバン トヨタ VOXY・ノア
VOXY、ノア、エクスフィアの3車種はベースが同一の兄弟車です。エスクァイアだけ若干高級志向入ってますが、VOXY、ノアは見た目の好みで選んでも良いと思います。
類似のライバル車種は日産のセレナ、ホンダのステップワゴンです。このクラスの中堅ミニバンがキャンプ場では一番見かける車です。
3.乗り心地が飛躍的に向上したSUV RAV4
SUVはシティ派と呼ばれる街乗りメインの車と、クロスカントリーに寄せた本格派と呼ばれるタイプに分かれます。RAV4はその中でも本格派寄りで、先代のRAV4が2016年に販売終了になったのは乗り心地の悪い評判が理由とも言われてました。そんなRAV4が2019年4月のフルモデルチェンジで復活、本格派SUVの中では圧倒的な乗り心地を手に入れました。搭載量は542リットル。前にも述べたように、最初からキャリアやルーフボックスの追加は検討しましょう。RAV4はそれらが似合う車だと思います。
類似のライバル車種はマツダのCX-5です。
今回は比較的無難なトヨタ車を中心に選んでいます。
他のメーカーも素晴らしい車を出してますし、ボルボ、アウディなど外車にも良い車はあります。ただ、日常的なメンテナンス性やリセールなど気にしないといけないポイントが増えますのでそのような車が気に入った場合はよく調べて購入してください。
キャンプにオススメな車の買い方
車の買い替えはお金と時間に余裕があるなら、購入時にディーラーを最低3箇所は巡り相見積して、他のディーラーの値段を理由に価格交渉の上で、現金一括で購入し、乗り換え時は、多数の買取業者に相見積するのがもっともおトクです。
現金一括で買う余裕が無かったり、そこまで時間掛けたくないと思うなら、車のサブスクとも呼ばれるカーリースという選択肢も考えてみてはどうでしょうか。
カーリースの良い所は
・ローンよりは審査が緩い
・車の調達(ディーラーとの交渉)はカーリース会社がやってくれる
悪い所は
・結局金利の分は余計に出費が発生する
・インチアップなど大幅な改造をした場合、返却時に原状回復が必要(カーナビ、ETCなどの追加は問題なし)
契約年数によっては、返却が必要などもありますが、長い年数になると無償譲渡がついているプランもあり、ローンと比較した場合、最長11年など長い期間を選択出来て、毎月の支払いを抑えられる。
逆に短い期間の場合は、返却有りきで、やはり毎月の支払いを抑えることが出来ます。
車は何年毎に買い替えますか?
車は服と同じで使い潰すまで乗り続ける人と、ちょっと古くなったら新しいのに変える人に分かれます。
車検に合わせて3年もしくは5年など短い間隔で乗り換える場合と、逆に使い潰すまで乗り続ける人はカーリースがオススメです。
カーリースであれば、気に入れば期間満了時に購入という選択肢も出来ます。
一方で選択性が減るのは確かなので、転勤や家族構成など将来のことが良くわからないなら止めたほうが良いでしょう。
また、カーリースはオープンエンド、クローズドエンドという2つ契約の種類があり、
それを悪用して初期費用や月額費用が安いように見せかけて、契約満了時に追加料金を
多額請求する、かなり悪質な業者もあります。
クローズドエンドであれば、自損事故で傷付けて放置しているなどが無ければ追加料金は発生しません。
クローズドエンドのサービスでは、4年以下の期間ならKinto、7年以上なら定額カルモくんがオススメです。
さらに定額カルモくんのメンテナンスプランには、大きなキズがあった場合でも30万円までは免責されるプランもありますので、運転に不安がある人は選択肢のひとつに考えたらいかがでしょうか。 なお、カーリースはクレジットカードと似た感じで審査が行われます。
ただし、クレジットカードと違い、審査が通過したからといってすぐ契約というわけでは無く、そこから商談となりますので、選択肢として本格的に検討するなら、まずは審査だけ申し込んでみると良いと思いますよ。
車は持ってないけど、キャンプしてみたい!
テントなどを一式レンタルしてくれるサイトもあります。
東京近郊だとこのあたりがオススメです。
・成田ゆめ牧場
・キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原
・北軽井沢SweetGrass
移動にはカーシェアやレンタカーを活用しましょう。
レンタカーを探すなら、色んな会社をまとめて検索出来るこちらのサイトがオススメです。
カーシェアはタイムズカーシェアかオリックスカーシェアが実質二強で、様々な場所で利用出来ます。サービス内容もそこまで変わらないのでご自宅の近くで台数が多そうな方を選べば良いと思います。
また自宅近くからドライブがてらレンタカーで移動でも良いのですが、
難解な23区内の首都高を走るのはペーパードライバーなら避けたほうが無難です。
首都高を出るまでは下道や電車移動も検討してみましょう。
いかがでしたでしょうか。
是非、安全で楽しいキャンプ&カーライフをお過ごしください。
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