2019年8月にA&Fの新規ブランドとして始動するや、またたく間にキャンパーの注目度が急上昇中の「SABBATICAL(サバティカル)」。新製品のお披露目前に売り切れ続出という異例の事態の中、各地で開かれている展示会は大盛況です。そこで私も9月7日にA&Fカントリー KASHIWANOHA-T-SITE店で開催された「SABBATICAL」の展示受注会に参戦、注目の「スカイパイロットTC」「モーニンググローリー TC」「マリポサ TC」を細部まで徹底的にリサーチしてきました。では最初に独特のフォルムと大きな室内空間で大注目の「SKYPILOT TC」を見ていきたいと思います。
SKYPILOT TC(スカイパイロット TC)
出典:SABBATICAL
仕様
サイズ:W720×D380×H270㎝
重量:本体14.7kg、ポール5.6kg、ペグ2.1kg
カラー:フォレストグリーン、ライトベージュ
付属品:本体、センターポール×1、サブポール×4、ハンガーテープ×2、ペグ×20、3mロープ×8、キャリーバッグ、ポールケース、ペグ・ロープケース
本体価格:76,800円(税抜)
出典:SABBATICAL
スカイパイロット TC の特徴
TC素材の採用
今回サバティカルから発売された4製品は、全て天然繊維のコットンと化学繊維のポリエステルの混紡繊維である「TC素材」が採用されています。TC素材は抜群の遮光性と通気性を兼ね備えており、夏は涼しく過ごすことができます。またポリエステルに比べて火の粉に強いのも、焚火好きのキャンパーにはうれしいですね。生地の性質上、完全に防水をする事はできませんが、雨に濡れるとコットンが膨張して雨の浸入を防ぐ効果があります。私は他社のポリコットンテントを所有していますが、かなりの雨でも雨漏りしたことはありませんし、何より結露が少ないのがうれしいです。そして下記の写真が、今回発売された2色のテントのTC素材の本体とポリエステルのスカートの画像です。色は下記の写真の色と近く、「ライトベージュ」は明るめの爽やかなベージュ。「フォレストグリーン」はかなり濃い緑です。2色とも遮光性が高く、日差しをしっかりと防ぎますが、フォレストグリーンは遮光性が高すぎて、日中でも入り口を締め切ると幕内がかなり暗い印象です。
5本のポールによる広々空間
スカイパイロットTCは、中央のメインポールと出入口部分の4本のサブポールでフライを支える構造で、一般のツーポールシェルターよりも有効面積がかなり広くなっています。この広さを活かしてグループキャンプのリビングにするもよし、カンガルー用テントを設置して2ルームテントのように使うのもよし。オーナーの工夫次第で様々なスタイルで使用できます。(インナーテント等のオプションはありません。)
出典:SABBATICAL
幕内は一辺2mの変形8角形で、ちょうど1辺にコット1台が収まります。ただセンターポールと左右のサブポールが幕の内側にあることで、デッドスペースが生まれるため、カンガルー用テントの置き方などには工夫が必要になりそうです。
4カ所の広い出入口
スカイパイロットTCには、前後左右に4カ所の出入り口があります。入口の高さは180㎝となっていますが、この日は左右のサブポールをやや内側に傾けて設営していた影響から、左右のドアは164㎝の私がギリギリ通れる程度の入口高さになっていました。前後のドアはポールが垂直なので175㎝以下の方ならかがまずに出入りできそうです。扉は4カ所とも、三角形の入り口の真ん中部分にファスナーがあり、両側に巻き上げて開口するようになっています。
4面全てのドアにメッシュパネルを装着
4面の扉には全てメッシュパネルが装備されています。このメッシュパネルは下部のベルクロでドアパネルに固定することで、1枚のドアパネルとして使用出来るので、巻き上げる時や跳ね上げる時に便利です。
出典:SABBATICAL
ビストロンジッパーの採用
出入口には凍結に強いビストロンジッパーを採用し、マイナス環境下での開閉のしにくさを軽減しています。ファスナーは4カ所共にシングルジッパーですね、個人的には薪ストーブをインストールすることを考えて左右2カ所はダブルジッパーにしてほしかったです。メーカーとしてはシェルター内は火気厳禁としているので仕方ありませんが、モーニンググローリーの後方2カ所はダブルジッパーなのに、どうしてスカイパイロットには採用されなかったんでしょうね。
幅広のスカート
スカイパイロットTCのスカートはかなり長めで、画像で見ていただいた通り20㎝程度あります。さらにスカートの内側には固定用のゴムも備えているので、風の強い時はペグダウンすることで風の吹込みをガードできますね。
しかし長めのスカートは、風を通したい時や跳ね上げる時には邪魔になってしまうこともあります。そこでスカイパイロットTCには、このスカートを巻き上げる紐が備え付けられており、下の画像のように巻き上げれば、すっきりとしたシルエットを保つことができます。
出典:SABBATICAL
使いやすさを追求した工夫が随所に
サバティカルのシェルターは、ユーザーの「これあったらいいな」を取り入れた、小技の効いた仕様が随所に見られます。例えば、センターポールの左右にあるベンチレーションは、内側から開閉することができるように長めのポールが付属しています。さらに開けた際のベンチレーションパネルは、ヒラヒラしないようにコードを引くだけで蛇腹にまとめられます。
出典:SABBATICAL
そしてサバティカルのすべてのモデルには、ランタンを吊るすのに便利なハンガーテープが付属しています。テープの途中には3つのリングが付いており、好きな場所に必要な個数のランタンを吊るせます。ハンガーテープはセンターポール付近と、左右のポールを刺す鳩目付近にある、テープに固定するようです。
スカイパイロットは、これだけの機能を有したTC素材のシェルターでありながら76,800円(税抜)というかなりの低価格を実現しています。そのため、構造上大きな影響を及ぼさない部分はシンプルな作りにすることで、コストカットが図られているようです。収納袋、ペグ、ガイロープや自在はシンプルですね。
設営の手順
出典:SABBATICAL
次にスカイパイロットTCの設営手順と細部の作りについてみていきたいと思います。設営手順は以下の通りです。
②センターポールを入れてフライを自立させる。
③左右ドアパネル部分に2本のサブポールを設置、ガイロープをペグダウン。
④前後ドアパネル部分に2本のサブポールを設置、ガイラインをペグダウン。
⑤左右ドアパネルの両サイドをペグダウン。
⑥幕体に結び付けたガイロープをペグダウン。
①ビルディングテープを張ってペグダウン
出典:SABBATICAL
スカイパイロットTCには、前後の大型ドアパネル足元に2本のビルディングテープが備えられています。まず初めに、このビルディングテープをしっかりと張って4コーナーをペグダウンします。
(このビルディングテープは設営完了後にフックを外して巻き上げ、付属の袋に収めることもできます。)
②センターポールを入れてフライを自立させる
次にセンターポールを準備し、中央の黒い補強布の部分に当てて立ち上げます。
③左右ドアパネル部分に2本のサブポールを設置
次に両サイドのポールをフライシートの内側から鳩目に刺して立ち上げ、ガイロープでしっかりとテンションを掛けます。
両サイドのポールは幕内に建てる形になるので、幕外に出たポールの先端部分にカバーを掛けて、雨が流れ込むのを防ぐ工夫がされています。
④前後ドアパネル部分に2本のサブポールを設置
次に前後の入口の部分にある力布テープの鳩目にポールを刺して、ガイロープでテンションを掛けます。こちらはポールが幕外にあるので、先端カバーはありません。
⑤左右ドアパネルの両サイドをペグダウン
サイドのドアパネルが三角形になるように両サイドをペグダウンします。
⑥幕体に結び付けたガイロープをペグダウン
各ドアパネルの中間にガイロープを結び付け、ペグダウンすることで耐風性を高めます。
張り方のバリエーションは無限大∞
出典:SABBATICAL
またスカイパイロットTCは、ポールやガイロープを足すことで様々なバリエーションの張り方ができます。天候やスタイル、使用人数などによって張り方を工夫できるので、「今日はどんな風に張ろうか」と考えるのも楽しいですね。
まとめ
サバティカルの「スカイパイロットTC」は、数少ないTC素材を採用した大型シェルターです。さらに長めのスカートや4面のメッシュシェルターなど、4シーズン快適に過ごすために必要な装備を目いっぱい詰め込んでいることで、特にこれからの冬キャンプでその実力を大いに発揮してくれそうです。これだけ細部にまでこだわった作りでありながら、価格が税込みでも8万円台とかなり良心的。大型のポリコットン幕を探していた方にとっては、サバティカルのスカイパイロットTCはかなり有力な候補になりそうですね。すでにフォレストグリーンは完売しており、展示会場での抽選販売を残すのみですが、ライトベージュは通常ラインとして継続販売されますので、欲しい方は最寄りのA&Fの販売店に問い合わせてみてくださいね。
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