2020年には、クラブノルディスクの4年目特典としてユドゥンのカーキカラーが登場し話題になっていますね。ノルディスクのレガシーシリーズの中でも、ヴィンテージ感のある見た目と設営の簡単さで男女問わず人気のユドゥン。でもノルディスクのA型テントは、ユドゥンだけじゃないんです。2019年にはサイズ違いの「ユドゥンミニ」やデザインの近い新型テント「ヴィルム4.8」が立て続けに発売されました。そこで今回はそらいろが実際展示会でこの3種類のテントを見た感想やその特徴から、それぞれのテントがどんな方にお勧めなのか考えていきたいと思います。
スペックの違い
ユドゥン(Ydun5.5)
サイズ:210×260×150㎝
収納サイズ:62×27㎝
重量:13㎏
素材:(フライシート)コットン35%、ポリエステル65%/(フロアー)ターポリン
付属品:収納袋・ポール・ペグ・ガイロープ
価格:92,000円(税抜)
※スペックは NORDISK japan公式より転記。
ユドゥンミニ(Ydun Tech Mini)
サイズ:210×155×125㎝
収納サイズ:(本体)28×20×26㎝ /(部品セット)50×20×4㎝
重量:(本体)4.2㎏/(部品セット)1.8㎏
素材:(ルーフ)テクニカルナイロン/(ドア・ウォール)テクニカルコットン
カラー:(部品セット)マスタードイエロー・チェリーピンク・チョコレートブラウン
付属品(部品セット)収納袋、ポール、ペグ、ガイロープ、ガーランド、ジッパープラー
価格:テント本体+部品セット 101,500円(税抜)
※スペックはNORDISK japan公式より転記。
ヴィルム4.8(Vimur4.8)
サイズ:207×240×134㎝
収納サイズ:(フライシート33×64㎝/ポール20×61㎝)
重量: 11㎏
素材: コットン35%、ポリエステル65%
※ヴィルム4.8は現在NORDISK japan公式に紹介ページが無いため、2019年1月に株式会社NORDISK から発表された資料を基にスペックを記載しています。
3種のスペックを比較
ユドゥン5.5 | ユドゥンミニ | ヴィルム4.8 | |
価格 | 92,000円+税 | 101,500円+税 | ※105,000円+税 |
設営サイズ | 210×260×150㎝ | 210×155×125㎝ | ※207×240×134㎝ |
収納サイズ | 62×27㎝ | 28×20×26㎝ 50×20×4㎝ | ※33×64㎝ 30×61㎝ |
総重量 | 13㎏ | 4.2㎏+1.8㎏ | ※11㎏ |
室内面積 | 5.46㎡ (210×260㎝) | 3.255㎡ (210×155㎝) | 4.968㎡ (207×240㎝) |
ルーフ材質 | テクニカルコットン | テクニカルナイロン | テクニカルコットン |
ドア・ウォール材質 | テクニカルコットン | テクニカルコットン | テクニカルコットン |
ポール材質 | スチール | アルミ | ※(スチール?) |
フロア材質 | ターポリン | (ナイロン系?) | (ターポリン?) |
※の部分はアルペンアウトドアーズ販売時の表示を参考にしています。
違いと特徴
①構造の違い
この3種類のテント、デザインは同じA型テントですが、実はフレーム構造が全て違っています。
まずユドゥン5.5の構造は、前後の出入り口中央にスチールポールを立てて、そのポールをガイロープで固定するツーポール構造です。シンプルな作りの為壊れにくく、天井部分が緩やかな弧を描くその張り姿も雰囲気があります。
次にユドゥンミニですが、こちらのテントにはノルディスクの新技術 Tutle Hubという新しいフレームの構造が採用され ています 。ユドゥンミニのフレームは、壁面に沿って湾曲した2本のポールを天井部分のハブにそれぞれ差し込んでA型フレーム状にします。その後外側からガイロープで引っ張って成形するのは通常のユドゥンと同様ですが、このフレーム構造により出入り口の開放感が増しています。またポールはアルミ製に変更されており、軽量化に貢献しています。
そして新しいコンセプトのテントであるヴィルム4.8ですが、こちらのテントにも 新技術 Tutle Hub が採用されています。さらにユドゥンミニは、前後2組のポールのみでしたが、ヴィルムは天井部分にも背骨となるポールが通っています。このポールの追加により自立性が高くなり、「ミッドガルド」として連結した際の安定性を高める役割を果たしているものと思われます。
②素材の違い
次に素材注目するのは素材の違いです。ヴィルムについては床材の表記がありませんが、見た目からターポリンではないかと思われます。また幕体の素材はテクニカルコットンと記載がありますので、ユドゥンとヴィルムに関しては幕の素材はほぼ同じものだと思われます。
この2種と比較して、ユドゥンミニは素材が大きく変更されています。まず天井部分はテクニカルナイロン素材であり、耐水性が従来よりアップしています。また床面も重いターポリンではなくナイロン系の素材を採用し、大幅な軽量化を実現しています。床面の素材については表記がありませんが、一般のポリエステルテントの床材と同じような素材といった印象でした。天井や床面の縫い目にはシームテープ加工も施されており、縫い目からの水の侵入もしっかり防いでいます。しかしドアパネルとウォールについてはテクニカルコットンを採用しており、通気性やノルディスクらしい高級感は損なわれていません。
③窓の違い
ユドゥンの窓は内側から紐を引くと、外側の布が巻き上げられるブラインド方式になっています。ユドゥンミニに関しても、多少形状はちがうものの巻き上げ式の窓となっています。それに対してヴィルムは、内側からファスナーで開閉する形となっていて、密閉性が高く実用的なデザインとなっています。
④ドア付近の穴がなくなった
ユドゥンには、入り口部分に小さな穴があいています。これは出入口をフラットにしたいときにペグを打つ穴らしいんですが、ここから蟻などの虫が侵入するという噂がありました。そのためか、この出入り口付近の穴はユドゥンミニやヴィルムからはなくなっていますね。
⑤ドアパネルの下部ファスナーはメッシュ部分のみ
ユドゥンのドアパネルは、メッシュについては縦横ともにファスナーが付いていますが、外側のドアは縦方向だけで、ドア下部分の横方向にはファスナーがありません。そのためすきま風が吹き込みやすいとのユーザーからの意見をネット上でよく見かけるのですが、この部分はユドゥンミニ、ヴィルム共に変更されていません。アスガルドのドアパネルは外側について下部分にファスナーが付いているのに、どうしてユドゥンにはつかないんでしょうね。
テント別おすすめポイント
ここまでユドゥン・ユドゥンミニ・ヴィルムの特徴についてみてきましたが、次はそれを踏まえて、どんなシチュエーションでそれぞれのテントが活躍しそうか考えてみたいと思います。
ユドゥンのおすすめポイント
ユドゥン5.5は、レトロなデザインとコットン素材でオシャレキャンパーに圧倒的な支持を受けるテントです。またシンプルな構造であり、設営が簡単なのも魅力です。ドアパネルや窓からのすきま風は多少気になりますが、厳冬期をのぞけばほぼオールシーズン使用が可能です。ただ床やポールに頑丈な素材を使用している為、13㎏とかなり重くサイズも大きめですので、オートキャンプでの使用が主体になりそうです。木製ギアやアンティーク系のアイテムを合わせて、オシャレキャンプを楽しみたい方に特におすすめのテントだと思います。
ユドゥンミニのおすすめポイント
ユドゥンミニは、幕体と付属品を合わせても6㎏というその圧倒的な軽さが最大の特徴です。それでいてノルディスクらしいデザインと風合いは損なわれておらず、おしゃれなサイト作りができます。もちろん山岳用テントなどと比べれば重量はまだ重いですが、バイクや自転車でキャンプツーリング(キャンツー)をする方や、ザックやキャリーバッグを利用する徒歩や電車を利用するキャンパーの方でおしゃれキャンプをしたいという方には魅力的なテントだと思います。素材にテクニカルナイロンを使用しており、シームテープ加工が施されている為、経年劣化はありそうです。
ヴィルム4.8のおすすめポイント
ヴィルムは、ノルディスクの最新技術を取り入れ、実用性を高めた新しいタイプのテントです。その最大の特徴は、「THRYMHEIM」「VIMUR5.6」 「VIMUR4.8」 という形状の違う3種類のテントを連結して、 「Midgard」という 大型のオールインワンテントを形成することができるという斬新なスタイルです。ソロキャンプなら 「VIMUR4.8」単体で使用、ファミリーなら 「THRYMHEIM」 と 「VIMUR4.8」 を連結してツールームテントとして使用、グループキャンプならすべてのテントを連結して大型の宴会場+寝室というオールインワンテントとして使用など、あらゆる場面に合わせて変化させることができます。そのため色々なシチュエーションのキャンプを楽しむキャンパーの方にオススメな一張りですね。
まとめ
今回見てきたユドゥン・ユドゥンミニ・ヴィルムは、同じノルディスクのA型テントでありながら、それぞれ違った特徴を持つ個性的なテントでした。おしゃれキャンプをしたくてA型テントを探しているという方は、何人で使うのか、重さや大きさを気にするのか、ほかにどんなタープやシェルターと併用するのかなど、いろいろな方向から見直し、自分のスタイルに一番ピッタリのテントを見つけてくださいね。
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